代表取締役社長 保積 弘康
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設立 | 2011年 |
事業内容 |
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会社HP | http://www.reachlocal.co.jp/ |
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学生時代に抱いた社長への憧れ
私は学生時代から、いつか社長をやりたいという想いを持っていました。
ただ、何をやりたいという具体的な形でのイメージはまだ持っていませんでした。
社長になりたいという想いを抱いたのは大学生からです。
それ以前は漠然と、英語を使ったグローバルな仕事をしたいと考えていました。
70~80年代は日本にアメリカの文化や技術が多く持ち込まれた時期で、
皆アメリカの存在に一種の憧れを感じていたのです。
そのような時期なので、海外から日本に英語を教えに来る外国人が多く、
その人たちと接するうちに英語にかなりの興味を持つようになりました。
また、それと同時に自分の実家が事業を経営していたこともあり、
その姿を見て育った私の中には、経営をするという考えも育まれていました。
親の姿を見て、経営者という立場は、何がうまくいっても、うまくいかなくても
自分の責任だという事は大変で、つらいことなのだと知っていました。
しかしそれと共に、自分の力で何かを動かしたいという考えも持ち合わせていたのです。
「ありがとう」という言葉を求めて
大学卒業後、縁があって入社した外資系企業では財務を担当していましたね。
その時は特に財務部長になりたいなどという考えは持っていなかったのですが、
ある時グローバルで管理用のシステムを入れるということで
アジアの導入を任された事が転機となりました。
それまで財務のみを担当していた私ですが、
仕事にITの要素が加わることで考え方が変わってきたのです。
財務の人はITのことを知らず、ITの人は財務のことを知らず、といった状況なので、
お互いの知識を共有しつつ高めあうことが出来ました。
財務で働いている当時、「ありがとう」という言葉を言われる事は、
そう多くありませんでしたが、IT関係の仕事をすると、
必ず「ありがとう」と言ってもらえる事に気が付いたのです。
その言葉をもっと聞きたいという想いが、
IT部長(CIO)になりたいという意思を作り出したのでしょう。
そこからは、その目標を達成するためには何をするべきなのかという事を考え始め、
今の会社に居続けては広い経験が出来ないと考え、外に目を向けるようになり、
やがて目標であったCIOにもなる事が出来ました。
偶然を重ねて現在へ
いずれ社長になるのならば財務の能力は必要だと感じていたため、
偶然ではありますが最初の会社で財務に配属されたことは
自分にとって大きなプラスだったのだと思います。
そして今、私がこの立場にいるというのも、
同じく偶然が作り出した状況だとも言う事ができます。
今の会社の米国本社社長は、13、4年前SAP専門のヘッドハンターをしていました。
当時、日本語と英語が出来て実際SAP導入の経験があった人となると、
一握りしかいませんでした。
彼がその様な条件にあてはまる技術者を探していた時、
私が彼のアンテナに引っかかったようです。
「アジア展開をしているアメリカの会社のSAPの責任者を探しているが、
興味はないか?」という連絡が来ました。
私が誘いを受け入れた理由は、日本という狭い範囲ではなく、
視野を広げてアジアを見た方が楽しいと思ったこと。
そして何より、目標に向かって、より加速して近づけるのではと考えたことでした。
優先順位を把握する
仕事をしていると、やろうと思えば、
やりたい事、やらなくてはいけない事などいくらでも出てくると思います。
しかし、私たちは決められた時間の中でそれらをこなしていかなくてはなりません。
そのような状況では優先順位を把握している事が求められるのではないでしょうか。
今、会社のためにしなければならないこと何かという事を、
しっかりと理解している必要があるのです。
ITで言うと、まず法的な部分、そして次にインフラを優先するといったところです。
プロジェクトを進めるという事も当然優先順位としては高い方なのですが、
それ以上にこの二つは優先順位として高い位置にあります。
国の中で会社を運営する以上、忙しいからと言ってその国の法を無視するわけにはいきません。
そして、暗い場所でろうそくの火を消してはいけないのと同じで、
システムを止めてはいけないのです。
ITの世界にいると、扱う金額の高さや時間の無さから、
これらの優先順位を自然と身に着けることができるのです。
おそらくITの世界でなくとも優先順位の把握というのは大変重要な能力だと考えますね。
リーダーに求められる事
去年の3月から会社がスタートし、今は100人に近い規模まで拡大しました。
急成長の背景には、社員が会社の目指すところを理解しているという事があります。
まずわが社では、入社してから一週間の「ブートキャンプ」という研修を行い、
会社の理念や価値、行動指針を叩き込むのです。
他にも、頻繁に会社の目標や進む方向性を確認する事を行っています。
繰り返すという事は内容の定着はもちろん、
その事の重要さを認識するためにも必要なことなのだと思います。
それでも、やはり多少の考え方の違いは生じてしまうもので、
特に中途入社の方などは自分の持ってる信念がありますから、
社に合わないなどという事もあります。
そのような時に必要なのが強いリーダーなのではないでしょうか。
自分を曲げず、ぐらつかないような人がいなくては、
会社としてまとまっていく事は難しいでしょう。
そして、その強いリーダーになるためには、コミュニケーションが必要不可欠です。
外資系の会社ではよく行っている事ですが、わが社でも1on1と言われる、
社員と直属の上司による一対一の対話時間がとられています。
やはり、デジタル化の世界とはいえ、
対話の中でしか読み取れない部分があるのだと思います。
社のビジョンと学生へのメッセージ
わが社は今、日本においてメディア事業しか行っておりません。
ソフトウェアビジネスであったり、
コンシューマブランドにおいて展開ができる様にする事が現在の目標です。
その為にも、地方への進出が必要だと強く感じており、
地域企業のサポートという面を押し出して支店を増やしていこうと考えております。
その際、支店を任せる人材を見極める事も非常に重要な事なのでしょう。
これから先、希望通りでない会社に入る人がいると思います。
しかし、一度入ったからには、その場所で頂点を狙ってください。
同期を超え、部を超え、会社を超え、と意識してやれば、
必ず自分のやりたいことにつながる事でしょう。
そして、若者は絶対に英語を勉強するべきです。
今、グローバル化が世界では急速に進んでいます。
日本の会社には海外に出ても問題ない程の所が多いです。
しかし、その前に言葉の壁だけが立ちふさがる事があります。
逆に外資系の会社が日本に来て困るのも言葉なのです。
優秀な日本人は多くても、それを生かせない事が大変多いと感じています。
英語を勉強する事で、本当にやりたい事が出来るようにもなるのです。